みんなでモルック楽しんで
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 シンプルな道具で簡単なルールでも、難しさもあって奥深く、体にやさしいいスポーツです。子どもでもでき、家族で、地域で、職場でと、とても幅広くだれもが楽しめるゲームです。
 
1.ゲームのルール
ルールの詳細や関係帳票の印刷は、こちらの から
・ モルックのルールの要点などは、こちら(pdf)で説明しています。
・ フィンランド国際モルック協会のルールの日本語訳は、
こちら(pdf)
・モルックのルールと遊び方は、こちら (もるチャンネル)の動画で
 プレーヤーは、モルック(mölkky・直径55mm 長さ225mm)と呼ばれる木製の棒を投げて、スキットル(skittles・直径55mm 高さ150mm)と呼ばれる木製のピンをたおします。
 スキットルは、上側に傾斜が付いており、そこに1から12まで数字が書かれています。スキットルは、はじめは右図のように並べます。
 投げる場所はスキットルから3〜4m(大股で3歩半が目安)で、それほど厳密には決められていません。また、モルッカーリは両端を45°に開いて設置して、モルックを投げる時もその後もモルッカーリに触れたり踏み超えるとファールとなります。 
 スキットルが倒され、散らばって倒されその場で再び立ててから、モルックを投げるプレーヤーに番号が書かれた正面が向くように直します。そうすることで、スキットルはゲームが進むにつれて広がっていき、狙うのが難しくなってきます。

 たくさん倒れたスキットルのうち、地面にすべて接地した本数だけが得点となり、他のスキットルやモルックの上に重なったものは得点になりません。
(①:9本倒れても6本が得点)
 
スキットルが1本だけ倒れると、そこに書かれている数字が得点になり(②:12番1本だけ倒れたら12点で、③:2本以上倒れても得点となるモルックが1本の場合もその番号が得点)、得点となるモルックが2本以上のときは、その倒れた本数が得点となります。(④:2本が得点対象のときは2点)

 ちょうど50点に達したプレーヤーが出た時点でゲームは終了し、そのときの得点がそれぞれのプレーヤーの得点になります。 50点越えのプレーヤーの得点は、25点に戻します。

 また、3回連続で1本も倒れなかった(得点が無い)場合は、そのプレーヤーの得点は0点となり、その時点でそのプレーヤーだけが試合に参加できなくなります。
 
ゲームは、初めに競技順(練習を兼ねスキットルを12本立てた状態からモルックを投げ、その点数の多い順などで)を決めてからゲームを始めます。

 1ゲームで勝ち負けを競うのではなく、4ゲームの合計で勝負をし、誰かが50ポイントになった時点で1ゲーム目は終了します。その時点のポイントが各自のポイントです。

 2ゲーム目以降は、累計ポイントの低い人から始め、誰かが50ポイント獲得したら終了し、1ゲーム目から4ゲーム目のポイントを足し、4ゲームの合計ポイントで競い、最高点は200ポイントとなります。
  

①:9本倒れても→6

②:得点が1本で→12

③:2本倒れても→8

④:得点が2本で→2
 技術もさることながら、戦略が大切なゲームで、子どもから高齢者まで、また男女に関係なく遊べるゲームで、子供などの参加者の構成やゲーム時間短縮などの情況に合わせて、ゲーム終了を40点にするなど、ローカルルールを決めてゲームをすることも容易にできます。
 
・ 大会での公式ルール 
公式の大会では、フィンランド国際モルック協会(FIMA)が定めたルールで行われ、一般的なルールと異なる主なものは次の通りです。
公式試合での用具は、公式のtuoterengas 社製のモルックを使い、スキットルはモルッカーリから3.5 mの位置に配置します。
 
 
投順は、コイン投げ(2チーム)やくじ引きなどで決め、全チームが投順の1番目、2番目などの、全ての投順ができるようにします。
 
モルッカーリを跨ぐ形で前や横に動いた場合やモルッカーリに足などが触れた場合は、ファールとなって得点は0点となり、プレーヤー(もしくはチーム)が37点以上ある場合、25点に減点します。
 
スキットルがコート外や壁に当たった場合は次の要領で処理。
屋外コートではコートを越えてスキットルが飛んで倒れたとしても、そのスキットルは点数に入れます。
屋外のコートを越えて飛んだスキットルを立て直す際は、スキットルの長さ分の距離をコート枠線から測って、その位置にスキットルを立て直します。
屋内コート等で壁などに当たって跳ね返ったモルックにより倒れたスキットルは点数に含めません。
壁などに当たって跳ね返ったスキットルが他のスキットルに当たった場合も、これらのスキットルは点数に含めません。
壁に当たって点数に含めないスキットルはスキットルの長さ分の距離を壁から測り立て直します。
ゲームでは主審と副審を置き、次のように作業を分担します。
主審は、次のプレーヤー(チーム)名と累計点を言った後、モルッカーリへの接触等のファールの有無、得点のカウントと得点表への記入、スキットル起こしを行い、その得点と累計点を言います。
副審は、投げたモルックを拾って次のプレーヤーに手渡します。また、情況により倒れたモルック起こしをして主審を補助します。
 
ルールQ&A 
 2本以上倒れても、得点対象のスキットルが1本だけの時の得点はどうなりますか?
 複数本倒れたとしても、全部地面に着いているスキットルが1本だけの場合は、得点となるのがその1本だけとなり、そのスキットルの番号が得点となります。
 例えばスキットル12とスキットル8が倒れていても、スキットル12が8の上に乗っている形で完全に倒れていなければ、得点は8点になります。(上記の説明画像の③)
 
 1ゲーム目の開始の順番はどのようにして決めますか?
 競技開始の順番にルールは特にありません。じゃんけんであったり、コイントスやくじびきであったりすることが多いです。
 
  ゲームの終了で同じ得点になったプレーヤーがいる場合の順位はどうなりますか?
 A,、Bのプレーヤーの点数が同得点であった場合、以下のいずれかで順位を決めます。
  ・ A、Bで、さらに 2ゲーム(初投を公平にするため)を行い、順位を決めます。
  ・ A、Bで、さらに 2ゲームを行い、2ゲームの総得点を比較して順位を決めます。
  ・ A、Bで、さらに 3ゲームを行い、2ゲーム勝った方を順位とします。
    (国際大会ではこのルールで行われます)
  ・サイコロ(3個)を使って、合計点の大きい順で決めます。
  ・ 「くじびき」で順位を決めます。
  ・ 「モルックアウト」という下記解説の方法で順位を決めます。
    (内輪で行うゲームのときは、この方法が好まれて使用されます)
 
モルックアウトの方法             モルックアウトの様子は、こちらのから
   通常のモルックとは違い、右の画像のように、点前からモルックの長さ程度の間隔で ⑦、⑨、⑪、⑫、⑩、⑧ の順に縦一列に6本のスキットルを並べ、モルックのルールに準じて、モルックを数回投げたあとの合計点を競います。
 勝敗は、高得点のスキットルが中央にあるので、技術と運が必要になります。
 

モルックアウトの並べ方
 ルールQ&A について
 このQ&Aは、日本モルック協会に照会して回答いただいた内容の一部を編集して掲載しております。
Q&Aのは、ルールの基本ですのでこの方法で得点をカウントする必要があります。
Q&Aのは、多様な方法がありますので、正式な競技会でない場合は、任意に選択するか、その場の情況に合わせて新たにルールを決めてプレーをすることもできると思います。
2.戦略がゲームを夢中にさせる!
下の文章を読む前に、もしもあなたが42点で、対戦相手のチームが44点のとき、あなたはどのような戦略を立てますか? こちら をクリックして考えて下さい。
 モルックは、ピンを倒して点を取るボーリングゲームに似ていると言われますが、多くの得点を取れば勝てるボーリングゲームなどと違い、モルックは、50点ちょうどの得点にしなければ勝つことはできません。
 モルックの得点の数え方にも特異な点もありますが、「50点ちょうどで勝利」というルールが、ゲームを面白い物にし、戦略を立ててゲームをすることが、技術と共に勝つための近道です。
 そこで、次の前提条件で、ゲームの戦略を立てる場合の参考となる考え方の例を紹介します。
 下記に掲載の内容はこちらからダウンロードして印刷できます。(A4サイズに両面印刷し、A5サイズの表裏で使用)
前提条件
クリックで拡大画像
 スキットルの配置が右図の通りである。
 次のプレーヤーの対戦相手のチームが44点である。
 自チームの得点が42点で、ちょうど8点を取ると50点となり勝利する。
戦略の検討
 1投目で8#ピンを倒すと勝利するが、高い技術が必要で、誤って12#ピン1本か、8#と12#ピン2本を倒すと、得点が25点か46点になる。
 1投目は7#ピン、2投目は1#ピンとすると、1投目ではピンが近すぎて2本を倒すおそれがある。
 1投目は6#ピンを倒し、対戦チームが50点にならないように、5#ピンや8#ピンに近づけ、2投目に2#ピン1本か、3,4#ピン、10,11#ピンなどの2本を倒す、選択肢を複数にする。
 1投目は5#ピン、2投目は3#ピンとしたいが3#ピンの位置が他のプレーヤーに変えられるおそれがある。
 1投目、2投目とも4#ピンとしたいが、3#ピン1本や3,4#ピン2本を倒すおそれがある。また、1投目で4#ピンが2#、6#ピンに近づき、2投目で4#ピン1本を倒すことが難しくなる。
 上記の検討のように、8#ピン1本、7+1、6+2、5+3、4+4、6+10,11(2)など、様々なパターンを考え検討することです。
 この場合は、相手チームを勝利させないことを最優先することが大切で、自チームの得点だけでなく相手チームの得点や戦略を考えながらゲームを進めることが勝利へのポイントです。
 また、チーム戦の場合は、チーム内のパートナーと意見交換をして、互いにアドバイスを受けてゲームをすることも大切です。
3.ゲームへのアドバイス
 モルックは一見簡単に思えるゲームですが、ゲームに勝つには想像以上に戦術が大切で、次の内容をゲームの参考にして下さい。
 得点が30点前後になったら、スキットルの番号とその位置を確認して、狙うスキットルを決めるなどの戦術を組立てることが大切。
 得点が49点となると、50点を取って勝利するには、1番スキットル1本を倒さなければならず、情況によっては非常に難しくなるので、50点を取る直前までの戦術が大切。
 自身の得点を取ることだけに気をとられず、他のプレーヤーの得点にも気配りをして、他のプレーヤーが先に50点を取りにくいように、スキットルの場所を遠くに変えるなどの戦術も大切。
 子供が参加するゲームは、ゲーム終了点数を40点にすることも。
 ゲーム時間の短縮は、ゲーム終了を50点より点数を下げたり、全体のゲーム数を少なくしたり、1ゲームの時間や投げる回数を制限して、得点が50点未満でもゲームを終了する方法も。
4.モルックの特長を生かす
 モルックは、ルールが簡単で、ゲーム自体の面白さとは別に、最も大きい特徴は障害者を含めて子供から高齢者までの人が同じグランドで同時にゲームを楽しめることです。このゲームの最大の特徴を生かす、次のような楽しみ方もあります。
 家庭の庭先で、子供、父母、祖父母と家族みんなで楽しめる。
 小学校PTAの活動などに取り入れて、子供たちと保護者が共に楽しむことができ、たし算学習や役割分担で協力体験ができる。
 子供から高齢者を対象に地域の活動で行い、親子、兄弟、夫婦などの家族対抗や小学生、中学生・・・と年代毎の世代別対抗や小学生と高齢者の混成チームの編成での対抗など、ゲームを工夫して、世代を超えた交流が深められる。
 ふれあいディーサービスなど高齢者の活動に取り入れ、体を動かしての健康維持や知的刺激での認知症などの介護予防に役立つ。
 会社や団体のレクリエーションなど、幅広い世代の催しに、モルックのゲームとバーベキューなどを併せて行えば一層楽しめる。